リボン付きの伝説
魔女の力は確かに絶大だ。しかし、それは自らが所属する世界での話。言わば井の中の蛙。
それを知った魔女は、ひとまず休むことを選んだようだ。
しかし、そんな魔女に向かって一つの冷酷な真実が告げられる。
「預言者は誰でも、自分の生まれ故郷では歓迎されません。」
それを知った魔女は、ひとまず休むことを選んだようだ。
しかし、そんな魔女に向かって一つの冷酷な真実が告げられる。
「預言者は誰でも、自分の生まれ故郷では歓迎されません。」
憎しみの権化と戦い、トレヴィーニは世界に息づくさらなる力を知った。
気持ちこそ高揚していたものの、如何せん前の戦いが熾烈すぎたせいもあろう。肉体が自らの命令を否定している。
魔石も眠ってしまった。もちろん、魔女自身も狭間の暗黒に身を委ねていた。
「私に干渉する事象を…否定する…zzz」
否定による結界により寝床を作り、束の間の休息を行うことにした。
「…ここは、サザンクロスタウンか?にしても人気がなさすぎる…」
トレヴィーニが目を覚ましたのは、自らが所属する世界のとある街。
いつもは活気に満ちた街なのだが、今はまるでゴーストタウンのように静まり返っている。
「セントラルタウンの情報がこちらにも伝わったようだな。まったく、手がかかる街だな。」
魔女が本気を出したとき、この街はいつも凍っていた。そのたびに否定の力で起こそうとするも、まともに動いたためしがない。
戒厳令を否定しても住民は眠りこけているし、かといって心理誘導しても人形のようにしかならない。
前に自宅への逃避を否定したら街総出で『否定の魔女復活祭』なるものを開かれた。もちろんすぐに否定したが、皆すぐに自宅に戻って謹慎してしまった。まったくもって遊びがいのない奴らだ。
どうせだからサザンクロスタウンの名前を否定して「サイレントヒル」にでもしようかと思った矢先、目の前に異様な光景が広がっていた。
昔懐かしい、どこかで見たことのあるような未確認飛行物体の数々が迫っていた。そして――――
「(メビウス1、交戦を許可する。目標はサザンクロスタウン上空の敵性航空機。)」
街を守護する管制塔から妙な力が射出された。射出座席の形をした幻影が、トレヴィーニの方向へ向かって飛んでいく。
魔女はそれを否定した。すると、その幻影はリボンのエンブレムをあしらった戦闘機に変わり、敵の概要を伝えてゆく。
「まったく、この怠け者どもが…。まぁいい、この妾と戦いたいというのなら死ぬ気でかかってきなさい。」
トレヴィーニがそう言うと、長距離攻撃用の散弾巡航ミサイルが魔女向けて斉射された。重空母管制機アイガイオンからニンバスの一斉射撃が放たれたのだ。
しかし、否定の能力を司り、激流に身を任せて生きる相手にそんな攻撃が通じるであろうか?暴風雨に巻き込まれたリボンのように回避し、射撃を跳ね返してグレイたちを排除する。
撃墜されたUFOは街中に墜ちる…と思ったら、妙な力で街中の随所にある空地に誘導されている。伝統と革新が共存するこの街では、無秩序な破壊活動はどのような形であれ否定されるのだ。
「まったく、なんとも憎らしい街だ。妾の力を都合よく模倣しおって…」
残るはどこの世界のものとも知れぬ奇妙な飛翔物体。核となっている巨大な機体は、さっきの情報から「アークバード」「アイガイオン」なるものだと把握した。どちらも空中カタパルト構造をしており、空母と管制を兼ねることで部隊の中核となっている。
トレヴィーニは戦闘機の幻影と共に相手との距離を詰める。背面の排気口からエンジンを破壊する方法もあったが、魔女は戦闘機ではないので甲板から内部に侵入し、構造自体を破壊して撃破するという分かりやすい発想をとった。
しかし、それを阻むように防衛システム『ギュゲス』やらスクランブル戦闘機やらが攻撃を放つ。ニンバスと違って四方八方からの攻撃なので軌道が安定しないが、回避自体は可能だ。が、回避しながらの接近は流石に無理がある。
「小癪な真似を…そんな攻撃、妾は何回も避けてきたぞ!詰めが甘すぎる!」
黄金の風を召喚し大気の状態を変える。これで煩い戦闘機はまともに動けないが、巨大な機材は辛うじて平静を保っていた。
そこでトレヴィーニはアイガイオンの甲板から内部へ進入。あとは適当に破壊するのみ…と思った矢先の出来事だった。
「…否っ!」
内部に残された機材がいきなり人型に変形し、襲い掛かってくるではないか。仕方なく、一番単純でかつ破壊力の高い方法を選択した。それは手で触れて否定するという最も直接的なやり方である。結果としてアイガイオンは――――
「ゾ〜〜〜ンダ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
消滅するかと思いきや、なんと異形の姿をした生命体になった。否定には成功したが、別の世界の物に様変わりしていたのだ。
内部が肉壁のように蠢き、身動きが取れにくくなった。トレヴィーニは怒りの感情を持って斧を召喚し、一撃で内部から叩き割った。だが、航空機が変形して出来たロボットはそのアイガイオンを破壊してまで襲ってくる。もちろん、乗員は全滅させたようなものだが。
もちろん金色の斧を振り回して応戦はするものの多勢に無勢。立ち回りで辛うじて凌いでいる状態だ。しかも、
「ゾ〜〜〜ンダ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
内部から破壊されまくったはずのアイガイオンが、さらに異形の姿と化して甦っている。完全に魔女の戦略は覆されてしまったのだ。
「この怪物め、くたばれ!――――――うりゃっ!」
柔らかくなったアイガイオンを魔力で圧縮し、鎖つき鉄球の様に振り回して周囲の敵を薙ぎ払う。そして、遅れて飛んできたアークバードに向けて投げつけた。
アークバードは隕石をも貫くレーザーでそれを撃ち抜いたが、再生力のため撃墜することはできず、結局は激突して炎上しながら落ちていく――――と思ったら、そうやすやすとはいかなかった。
「――――まさか、奴の仕業なのか…?!」
破壊されたはずの機械たちが空中に集まり融合。その姿はボーイング747のそれだ。だが、あれだけの機械が融合して戦闘能力が皆無になるなんてありえない。
思い当たる節はある。7つの翼と水晶を持つ黙示録仕様の幼女だ。虹を彷彿とさせる不揃の魔女で、その能力はかなり分かりにくい。ではどう考えるのか。合成の壺+変化の壺、つまりある種の錬金釜だと考えるのが妥当だろう。
戦闘時でもあまり表に出てこないだけに居場所こそわからないが、ここまで大々的に能力を行使されておいて引き下がるわけにはいかない。
「アルカンシエルだかシクロアルカンだかわからないが、妾はその機体を否定すると心に決めた。」
その時、リボンのエンブレムをあしらった幻影の戦闘機が、再びトレヴィーニの元に姿を表した。『歴史を動かすF-22A』と呼ばれ、数々の戦乱をくぐり抜けてきたこの機体は、否定の魔女がもう一人いるかのような存在感を放っていました。
対峙する相手は旅客機の風貌をしているが、恐らく不揃の魔女が乗っていてどんな手段で攻めてくるかわからない―――そんな状況下でも、魔女と戦闘機は相手に肉薄するのです。
「ようやくトレちゃんは来たんだね。早く遊んでよー」
無邪気な子供の声が航空無線で発せられる。と同時にあたりの天候が様変わりし、いきなり集中豪雨が発生した。コイルだって技マシンを使えば雨を降らせられるご時世である。航空機がいきなり雨を降らせても驚くには足らない。
問題はその後だ。ボーイング747の翼には稲妻と風が宿り、所構わず放電して落雷を誘発し、灰色をした風の刃をまき散らす。
落雷こそ時々自らに落としてしまうことがあるものの、溜まり過ぎたエネルギーは機体自体を光学兵器に変える。それは時に3種混合の怪光線だったり、岩をも貫く謎の光線だったりする。
こんな相手に向かってどう戦えばいいのか。トレヴィーニはF-22Aの機体上部に跨り、制限速度と衝撃波を否定。そのままアフターバーナーを開いて音速まで加速し、到達を少しでも早める。なにしろ、放たれる攻撃は全て光速で飛んでくる。回避など出来るわけがない。
F-22Aはトレヴィーニによって全てを否定する突撃槍になり、音速の刃だろうが光速の波動だろうが全て否定し、ただひたすらボーイング747に向かって飛んでいく。その結果…
「オメガ11、イジェーーーークト!!」
F-22Aはボーイング747に正面衝突した。トレヴィーニは衝突寸前に放たれた射出座席に弾き飛ばされて無事だったが、幻影だったはずのF-22Aは機体内部に突っ込み爆発炎上。ボーイング747は与圧や油圧をすべて失い、吹き飛んでしまった。
「トレちゃん、ここの図書館には自分の存在感を示唆する小説があるよ。一回読んでみれば?」
その刹那、不揃の魔女はこんな言葉を残し、そのまま飛び去っていった。
トレヴィーニはサザンクロスタウンに降りた。市民生活がそのままポンペイのように固まったその風景はあまりにも殺伐である。
そのまま魔女は図書館に行き、そこの鍵を否定して中に入っていった…
気持ちこそ高揚していたものの、如何せん前の戦いが熾烈すぎたせいもあろう。肉体が自らの命令を否定している。
魔石も眠ってしまった。もちろん、魔女自身も狭間の暗黒に身を委ねていた。
「私に干渉する事象を…否定する…zzz」
否定による結界により寝床を作り、束の間の休息を行うことにした。
「…ここは、サザンクロスタウンか?にしても人気がなさすぎる…」
トレヴィーニが目を覚ましたのは、自らが所属する世界のとある街。
いつもは活気に満ちた街なのだが、今はまるでゴーストタウンのように静まり返っている。
「セントラルタウンの情報がこちらにも伝わったようだな。まったく、手がかかる街だな。」
魔女が本気を出したとき、この街はいつも凍っていた。そのたびに否定の力で起こそうとするも、まともに動いたためしがない。
戒厳令を否定しても住民は眠りこけているし、かといって心理誘導しても人形のようにしかならない。
前に自宅への逃避を否定したら街総出で『否定の魔女復活祭』なるものを開かれた。もちろんすぐに否定したが、皆すぐに自宅に戻って謹慎してしまった。まったくもって遊びがいのない奴らだ。
どうせだからサザンクロスタウンの名前を否定して「サイレントヒル」にでもしようかと思った矢先、目の前に異様な光景が広がっていた。
昔懐かしい、どこかで見たことのあるような未確認飛行物体の数々が迫っていた。そして――――
「(メビウス1、交戦を許可する。目標はサザンクロスタウン上空の敵性航空機。)」
街を守護する管制塔から妙な力が射出された。射出座席の形をした幻影が、トレヴィーニの方向へ向かって飛んでいく。
魔女はそれを否定した。すると、その幻影はリボンのエンブレムをあしらった戦闘機に変わり、敵の概要を伝えてゆく。
「まったく、この怠け者どもが…。まぁいい、この妾と戦いたいというのなら死ぬ気でかかってきなさい。」
トレヴィーニがそう言うと、長距離攻撃用の散弾巡航ミサイルが魔女向けて斉射された。重空母管制機アイガイオンからニンバスの一斉射撃が放たれたのだ。
しかし、否定の能力を司り、激流に身を任せて生きる相手にそんな攻撃が通じるであろうか?暴風雨に巻き込まれたリボンのように回避し、射撃を跳ね返してグレイたちを排除する。
撃墜されたUFOは街中に墜ちる…と思ったら、妙な力で街中の随所にある空地に誘導されている。伝統と革新が共存するこの街では、無秩序な破壊活動はどのような形であれ否定されるのだ。
「まったく、なんとも憎らしい街だ。妾の力を都合よく模倣しおって…」
残るはどこの世界のものとも知れぬ奇妙な飛翔物体。核となっている巨大な機体は、さっきの情報から「アークバード」「アイガイオン」なるものだと把握した。どちらも空中カタパルト構造をしており、空母と管制を兼ねることで部隊の中核となっている。
トレヴィーニは戦闘機の幻影と共に相手との距離を詰める。背面の排気口からエンジンを破壊する方法もあったが、魔女は戦闘機ではないので甲板から内部に侵入し、構造自体を破壊して撃破するという分かりやすい発想をとった。
しかし、それを阻むように防衛システム『ギュゲス』やらスクランブル戦闘機やらが攻撃を放つ。ニンバスと違って四方八方からの攻撃なので軌道が安定しないが、回避自体は可能だ。が、回避しながらの接近は流石に無理がある。
「小癪な真似を…そんな攻撃、妾は何回も避けてきたぞ!詰めが甘すぎる!」
黄金の風を召喚し大気の状態を変える。これで煩い戦闘機はまともに動けないが、巨大な機材は辛うじて平静を保っていた。
そこでトレヴィーニはアイガイオンの甲板から内部へ進入。あとは適当に破壊するのみ…と思った矢先の出来事だった。
「…否っ!」
内部に残された機材がいきなり人型に変形し、襲い掛かってくるではないか。仕方なく、一番単純でかつ破壊力の高い方法を選択した。それは手で触れて否定するという最も直接的なやり方である。結果としてアイガイオンは――――
「ゾ〜〜〜ンダ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
消滅するかと思いきや、なんと異形の姿をした生命体になった。否定には成功したが、別の世界の物に様変わりしていたのだ。
内部が肉壁のように蠢き、身動きが取れにくくなった。トレヴィーニは怒りの感情を持って斧を召喚し、一撃で内部から叩き割った。だが、航空機が変形して出来たロボットはそのアイガイオンを破壊してまで襲ってくる。もちろん、乗員は全滅させたようなものだが。
もちろん金色の斧を振り回して応戦はするものの多勢に無勢。立ち回りで辛うじて凌いでいる状態だ。しかも、
「ゾ〜〜〜ンダ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
内部から破壊されまくったはずのアイガイオンが、さらに異形の姿と化して甦っている。完全に魔女の戦略は覆されてしまったのだ。
「この怪物め、くたばれ!――――――うりゃっ!」
柔らかくなったアイガイオンを魔力で圧縮し、鎖つき鉄球の様に振り回して周囲の敵を薙ぎ払う。そして、遅れて飛んできたアークバードに向けて投げつけた。
アークバードは隕石をも貫くレーザーでそれを撃ち抜いたが、再生力のため撃墜することはできず、結局は激突して炎上しながら落ちていく――――と思ったら、そうやすやすとはいかなかった。
「――――まさか、奴の仕業なのか…?!」
破壊されたはずの機械たちが空中に集まり融合。その姿はボーイング747のそれだ。だが、あれだけの機械が融合して戦闘能力が皆無になるなんてありえない。
思い当たる節はある。7つの翼と水晶を持つ黙示録仕様の幼女だ。虹を彷彿とさせる不揃の魔女で、その能力はかなり分かりにくい。ではどう考えるのか。合成の壺+変化の壺、つまりある種の錬金釜だと考えるのが妥当だろう。
戦闘時でもあまり表に出てこないだけに居場所こそわからないが、ここまで大々的に能力を行使されておいて引き下がるわけにはいかない。
「アルカンシエルだかシクロアルカンだかわからないが、妾はその機体を否定すると心に決めた。」
その時、リボンのエンブレムをあしらった幻影の戦闘機が、再びトレヴィーニの元に姿を表した。『歴史を動かすF-22A』と呼ばれ、数々の戦乱をくぐり抜けてきたこの機体は、否定の魔女がもう一人いるかのような存在感を放っていました。
対峙する相手は旅客機の風貌をしているが、恐らく不揃の魔女が乗っていてどんな手段で攻めてくるかわからない―――そんな状況下でも、魔女と戦闘機は相手に肉薄するのです。
「ようやくトレちゃんは来たんだね。早く遊んでよー」
無邪気な子供の声が航空無線で発せられる。と同時にあたりの天候が様変わりし、いきなり集中豪雨が発生した。コイルだって技マシンを使えば雨を降らせられるご時世である。航空機がいきなり雨を降らせても驚くには足らない。
問題はその後だ。ボーイング747の翼には稲妻と風が宿り、所構わず放電して落雷を誘発し、灰色をした風の刃をまき散らす。
落雷こそ時々自らに落としてしまうことがあるものの、溜まり過ぎたエネルギーは機体自体を光学兵器に変える。それは時に3種混合の怪光線だったり、岩をも貫く謎の光線だったりする。
こんな相手に向かってどう戦えばいいのか。トレヴィーニはF-22Aの機体上部に跨り、制限速度と衝撃波を否定。そのままアフターバーナーを開いて音速まで加速し、到達を少しでも早める。なにしろ、放たれる攻撃は全て光速で飛んでくる。回避など出来るわけがない。
F-22Aはトレヴィーニによって全てを否定する突撃槍になり、音速の刃だろうが光速の波動だろうが全て否定し、ただひたすらボーイング747に向かって飛んでいく。その結果…
「オメガ11、イジェーーーークト!!」
F-22Aはボーイング747に正面衝突した。トレヴィーニは衝突寸前に放たれた射出座席に弾き飛ばされて無事だったが、幻影だったはずのF-22Aは機体内部に突っ込み爆発炎上。ボーイング747は与圧や油圧をすべて失い、吹き飛んでしまった。
「トレちゃん、ここの図書館には自分の存在感を示唆する小説があるよ。一回読んでみれば?」
その刹那、不揃の魔女はこんな言葉を残し、そのまま飛び去っていった。
トレヴィーニはサザンクロスタウンに降りた。市民生活がそのままポンペイのように固まったその風景はあまりにも殺伐である。
そのまま魔女は図書館に行き、そこの鍵を否定して中に入っていった…
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